読者も『陰日向に咲く』一人かもしれない
お笑い芸人や俳優さんが物語を創られることも多いですね。
笑わせたり、感動させたり、人の心を揺さぶることを生業としている方々ですから、芸人であろうと表現者。
その才能を感じることになった作品と言えば劇団ひとりの『陰日向に咲く』。
この作品が登場する以前は、芸人関係の書籍といえば、ネタを収録したものであったり、写真だったり、といったものだったように思います。
普通に、小説として読むことができるのがこの作品。
6人の登場人物、一人ひとりをヒューチャーしたオムニバス小説。
6人は皆、陽の当らない落ちこぼれ達。
自ら好んでホームレスになったサラリーマン
デビュー5年目のマイナーアイドル
ギャンブル好きで借金返済のためオレオレ詐欺に手を出してしまう35歳独身男
など、世間から見ればどうしようもない人々。
むしろ、普段、意識して見ることも人々だけれど、読み進めていくと、どこか共感でき、気になってしまう。
たぶん自分自身、世の中から見ればどうでもない人間で、ふとすれば落ちこぼれになりうる人間なのだろうと思ってしまった。
それでも、登場人物たちが社会復帰していく道のりに不快感はありません。
