『4TEEN』青春への追憶と大人になるということ

何となくふと、自分は10代のままの気持ちが捨てられないでいるのではないか、と思うことがあります。

私の中学校、高校といった青春時代は、絶対にドラマ化されないだろうな、という内容のものでした。

特に部活動もしていなかったし、友達はいたけれど悪いことをしようとしたことはないし、背伸びしてみたこともなければ逆に子供ならではの無邪気さで溢れていたわけでもありません。

そして恋なんかもしていませんでした。

だからなのか。

青春を捨てられないでいるというよりは、青春に憧れている気持ちが強いのかもしれません。

そんな私だからこそ、物語に描かれる青春劇への興味は強いと思います。

テレビのクイズ番組などにも出演されている石田衣良先生の作品『4TEEN』はまさに青春。

180センチ、100キロの巨漢、ダイ。

勉強が得意なジュン。

かっこいいことを言ってもどこかイケてないテツロー。

ウェルナー症候群のナオト。

東京の下町・月島を舞台に、14歳の少年4人が、恋をし、傷つきながら、大人になっていく様子を描いています。

第129回直木賞受賞作。

不登校や援助交際、セックス、DVなどといった話題性のあるエッセンス、そして難病を抱えた登場人物と、物語にありがちとも言える要素がありながらも、非常にリアルに描かれているので、すっと本の中に入り込めます。

いつかは大人になることをわかっていても、変わっていくことへ感じる恐怖。

そうか、そういうことか。

大人になりきれないのは、まだ変わっていくことに怯えているからなのですね。